生きづらさを抱えた女性の福祉事業所「amiga」のブログ

生きづらさを抱えた女性の福祉サービス事業所/ 自立訓練(生活訓練)/ 福岡

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回復クラス「DV・虐待の構造と本質」について

 

先週の回復クラスは、前回引き続き「DV」について

構造や本質、特にパワーとコントロールについて理解を深めるための

時間になりました。

 

レジリエンスさんの資料と、森田ゆり先生の書籍を参照しながら

読み合わせも行いました。

 

DV=暴力という簡単な構図ではなく、DVは力に差がある関係の中で力を持つ人が力を持つことを許されない人を支配するパートナーシップの関係性といえます。

「支配」を強化するために、様々な暴力が用いられるのです

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人は暴力を受けると様々な心理状態におとしいれられます。それは一様ではありません。

ひとりひとり異なる心理です。しかし暴力被害者に共通していられる心理状態もあります。

  • 恐怖または強度の不安感 :長期にわたる強度な不安である場合もある。
  • 無力感 :「何をしたってどうせだめだ」「解決できるはずがない」※学習性無力感
  • 孤立感 :加害者以外との対人関係から切り離され、自己認識が歪められる。
  • 行動の選択肢がなくなったと思いこんでしまう:暴力は人の行動の選択肢を奪う。

                (森田ゆり著「ドメスティック・バイオレンス」P33より)

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非暴力を望むのであれば、暴力について正しく理解することが必要です。

例えば、ストレスや怒りがたまることが「暴力の爆発」につながっているという誤解が生じる場合があります。

しかしストレスや怒りがたまっても暴力を振るわない人はいます

ストレスや怒りが暴力の原因になるのではなく、「暴力を振るってもいい」という間違った認識をもっていることが暴力の原因となるのです。

 

また、支配から逃れられなくなった被害者と加害者の関係を「共依存」として見立てる風潮がありましたが、その間違いも正していきたいものです。

 

以下、森田ゆり先生の「ドメスティックバイオレンス」P より

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 共依存

「パワーとコントロール」は加害者の側の問題であると同時に、被害者側もコントロールを甘んじて受け入れている共依存関係によって支えられているとの主張がときどき日本では聞かれますが、どうなのでしょう。

 共依存(co-dependency) とは一九八〇年代の前半の米国で、アルコール依存症からの回復と援助の動きの中から生まれた概念で、八〇年代の中頃にはアルコール依存にとどまらず、虐待やギャンブルやその他さまざまな家族の問題にもあてはめて使われるようになった用語です。しかしDVの被害者支援を続けてきたシェルターを中心とした米国の女性たちの運動は、 共依存概念をDV問題にもあてはめることの安易さと過ちを即座に指摘し反論しました。DV被害者のトラウマ治療の分野からも、共依存概念が被害者の回復に逆効果を生んでいる報告が次々と出され、私の記憶でも一九九〇年頃までにその論議は出つくした感がありました (文献1、2、3)。

 たしかに別れる寸前までいって「私がいなくなったらあの人は生きていかれないから」と再び虐待される関係に後戻りしてしまう女性たちはいます。

夫の暴力性が家族外の人には知られないように取り繕ったり、ナイフをかざして暴れた夫が怪我するとその介抱をしたり、夫の暴力の尻拭いをしたりする女性たちも少なくありません。こうした妻の行動が夫の暴力性を助長していると言えないことはないでしょう。

しかしそれをもって被害者の共依存の問題とみなし、カウンセリングの方法にも共依存モデルを使うのは、DVとアルコール依存との問題の本質的な違いを無視した大きな過ちと言えます。

(DVとアルコール依存症との違いについては、第13章に詳細に述べてあります)。

 「パワーとコントロール」の根底にあるのは共依存ではなく、不平等な関係です。不平等とは、常に、あるいは多くの場合、一方が他方に対して優位に立っている関係のことです。

 人間が二人生活を共にすれば、 なんらかの力関係がそこに生じるのは当然です。しかし、その力関係を一定にしてしまわない努力をしなければ、平等な関係はつくれません。Aが優位に立つこともあるが、Bが優位に立つこともある。前回はAの意思を通したから、今回はBの意思を通そうと。一方が望むことを他方が望まない場合、あるいは意見の対立が起きたとき、私たちはこのように交渉し、妥協点を見出そうとします。話し合い、交渉することで小さな対立を解決しながら関係を営んでいます。相手の要求に対して「ノー」が言える関係、それが平等な関係です。平等な関係は互いに依存し合うこともあります。相手のことを思って自分の欲求を抑えることもあるでしょう。相手から自分が必要とされていることが嬉しく、自分も相手を必要としていることは共依存関係に見られることですが、それは平等な関係にも存在します。

 「パワーとコントロール」は平等な関係ではありません。伝統的に男性は女性に対して社会的力をもってきました。男性が決定権をもち、女性はそれを支えることが当然とされてきた社会の価値観のもとでは、女性に対する男性の「パワーとコントロール」は、容認されてきました。

 アメリカでのDV問題に関わる人への研修の中で、私は図4図5をともに提示して、グループワークや討論の材料として使っていました。DVの被害を受けた女性たちのグループワークでも使ったこともあります。経済的にも社会意識としても男女の不平等が当然のこととして容認されている社会にあって、図4に示された夫愛人から受けてきたコントロールの諸相が、図5のように変わったとしたら、彼女たちはどう変わりうるかを話し合うのです。その話し合いは、彼女たちのかき消されてしまった生きることへの自信のランプに灯をともすことがしばしばです。

 自分がだめな女だからこんなみじめな状態になってしまった、自分に主体性がないから夫の暴力から逃げられない、などと自分をさげすみ自分を叱咤してばかりいる彼女たちに、その話し合いは、力関係が常に不均衡な状況では、自分の人間としての価値や可能性や能力がいかに矮小化されてしまうかに気づかせてくれます。

平等な関係の中では、今までは外に表わすことを許されなかった自分の能力に気がつき、違った自分を見つけることができることを教えてくれるのです。


 共依存症というあたかも病理であるかのような名称を与えることでは、暴力の被害から回復しようとしている女性たちをエンパワーすることはできません。

 問題なのは彼女たちの病理ではなく、男性中心の性差別社会の露骨な現実を日々目にしながら、それをあたりまえのように受け入れている私たち社会全体の病理なのです。

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次回の回復クラスは、暴力の種類について学んでいきます。

 

自分の過去に起きたことと照らし合わせながら理解を深めることになります。

時には痛みを伴いますし、暗くて重たい気持ちになりやすい内容です。

だからこそ、仲間とともに学び、分ちあっていくことが大事だと考えています。

クラスの前後はしっかりとモードを切り替えられるような工夫を凝らして行っています。もちろん強制はありません。ご自身のペースに合わせてご参加いただけます。

しんどいけれど、納得が得られることで、すっきりされる方もすくなくないです。

 

暴力について、その影響について、正しい理解を持つ大人が増えていきますように。

 

 

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