アミーガの母体であるNPO法人アコアの自助グループミーティングの配布資料に掲載している情報、こちらにも転記します。

アダルト・チルドレンとは
自分の育った家庭で、親がアルコール依存症であったり、ドラッグ・アビューズ、家庭内暴力、性的・身体的・精神的な虐待などがあった機能不全な家庭(*)で育った人たちは、なんらかの形で受けた心の傷(トラウマ)が後遺症として残り、健全な生活に支障をきたすことになります。そうした生きづらさを抱えた大人たちのことです。
(「アダルト・チルドレン」とは診断名ではなくコンセプトです。)
*機能不全な家庭*
― 例えば、よく怒りが爆発する家庭、、冷たい愛のない家庭、他人や兄弟姉妹と常に比べられる家庭、何をしてもあれこれ非難される家庭、期待が大きすぎて何をやっても期待に添えない家庭、お金、仕事、名前のある学校だけが重視される家庭、他人の目を気にする表面だけ良い家庭、親が病気がちだったり留守がちの家庭、親と子の関係が逆になっているような家庭、両親の仲が悪かったりけんかや暴力の多い家庭、嫁と姑の葛藤がひどい家庭 など ―
症状としては、摂食障害、うつ病、不安症、境界性人格障害、アルコール・ドラッグ依存症、共依存症、パニック障害、心因性の頭痛、腹痛、その他の情緒不安定、不健全な人間関係などとしてあらわれることが多く、特に自己の確立ができず、低い自己評価に悩まされる場合が往々にしてあります。こういう機能不全な家庭で育った人たちは、機能的な人間関係を見ないで育ったので、健全なコミュニケーションや、健全な行動がどのようなものなのか、はっきりわかりません。適当な愛や、あまり大きすぎることもなく、また小さすぎることもないフラストレーション、尊敬、コミュニケーションの技術のない家庭で育てば、自己の確立に障害が出ても不思議ではありません。このように小さい時から長い間かかって出来上がった習慣は、大人になっても抜けきらず、自己の不安感、自己価値の低さから、共依存的な行動や人間関係に陥りやすいことがままあります。それらの理由から生き辛さや苦しさに繋がるのです。
(自分の傾向に理解を持ち上手に付き合っていくことで、回復は可能です。)
―自覚から癒しへ―
アダルトチルドレンとは、「安全な場所」として機能しない家族の中で育った人々のことである。
アダルトチルドレンは「周囲が期待しているようにふるまおうとする」「NOが言えない」「しがみつきと愛情を混同する」「楽しめない」「フリをする」「自己処罰に嗜癖している」等の特徴を持つ
「アダルトチルドレン」とは、自らのいきにくさの理由をじぶんなりに理解しようと努める人がたどり着く、ひとつの自覚であるー
『アダルトチルドレンと家族』斎藤学著より

【アダルトチルドレンの行動パターン】
1)自らを犠牲にして他人を助けたり世話したりする。(無意識のうちに自分が他人にとって必要となったり有難がられるなどの報酬を期待している)
2)他人の行動、感情、考え方、この結果を変えようとコントロールする(他人の行動の責任はとるが、自分の行動がどのような結果を招いているかは考えない)
3)問題や危機が起こっているような状況に身を置きやすい(不安定な他人中心の生活をし、問題や危機が起こっていないと空虚になる。)
4)依存心が強く、一人でやっていけるという自信がない(自己評価が低く、見捨てられ危機感に襲われる)
5)考え方、視野が狭い(特定の他人の問題で頭が一杯で、友人からも離れ、地域社会、自然などへの関心、貢献が薄くなる)
6)現実、事実をはっきり把握することができない(否定、否認をして、物事をありのままに受け入れず、あまり大したことでもないように思い込んだり、事実を隠して表面はなんでもないようにふるまったりする)
7)コミュニケーションの技術に欠ける(自己をはっきり表現することができなかったり、「いいえ、できません。」とはっきり断ることができなかったり、他人のことばかり話したりする)
8)他人と自分とのバウンダリー(境界線)がはっきりしていない、(他人の問題におせっかいに入り込んでしまったり、またはその人の気分を変えようと必死になったりする。)
9)自分のからだから出るメッセージに気づかない(繊細な感情が麻痺してしまっているので、感情の適切な表現ができず、何かヘンだなという時に胸がドキドキしても、それに注目せず、同じ間違いを何度も繰り返したがる。)
10)怒りの問題を持っている(怒りを爆発させるような人と一緒になって怒りを恐れに摩り替えたり、または適切な怒りの処理の仕方がわからず、たまったフラストレーションを爆発させたり、他人に八つ当たりしたりする)
11)物事を極端にとらえ、ほどほどにするということができない(黒か白かをはっきりしすぎたり、自分が正しくて他人が全く間違っているとか、または反対に、全部を自分のせいだと思い込んでしまう)
12)忍耐強く待つことができない(反射的にものごとをしたり、結果を急ぎせかせかと動き回ったり、余計な心配をする)
13)罪の意識によく襲われる(相手に問題があるのは、自分が何か悪いことをしたからだと思い込み、自分がもう少し努力すれば、また自分の欠点を直せば相手がよくなるだろう、変わるだろう、と必死になる。)
14)自己の確立ができていない(他人に幸せにしてもらおうと思っていたり、自分の生活の目的や自分は一体何なのかがはっきりせず、自分を大切にできない)
15)愛情としがみつきを取り違える(愛するということは、胸がドキドキして相手から離れられなくなることだと思い込んでいる)
16)過去の間違いから学ぶことができない(相手に対する憤慨と哀れみと許しとを、かわるがわるに何度も繰り返す)
17)権威者を恐れる(権威のある人の前に出るとビクビクし、相手から非難されたり、認められないのではないかと恐れる)
18)嘘をつかなくても良いときに嘘をつく(自分に対して正直になれず、自分の中から出てくる思考・感情を信じず、うそをついて相手をかばったりつくろったりする)
19)理想論、ファンタジー、社会の掟にとらわれる(相手はこうするべきだ、ああするのが当たり前だ。みんながああいうから、と理想や道徳や社会の規範のせいにする)
その他・・物事に一貫性がなかったり、始めたプロジェクトを終わりまで完了させることができなかったり、自暴自棄になって危険な行動や犯罪に走ったり、配偶者や子どもに暴力をふるったり、自分だけがエライと思い込む自己陶酔的な人間になったり・・などの弊害が出やすい。 また自分の問題だけでなく自分の周りの家族などに弊害が出て、子どもの非行問題、摂食障害、登校拒否、家庭内暴力、引きこもりなどに振り回されることも多い。

ACの治療法~西尾和美
1 依存症、共依存症、アダルトチャイルド、トラウマについての知識を学ぶ
2 本人の育った家庭でどんなパターンを習って育ったか、また生存するのに必要などのような「防衛機制」を作り上げたかを分析する
3 機能不全なパターンの世代間伝播が多いのでジェノグラム(家系図)を作って調べる
4 間違って理解し、固まってしまった考え(思考・信念)にチャレンジする
5 催眠療法やイメージワークで過去の思い出をたどり、心の傷にふれ、それを癒す
6 インナーチャイルドを育てる作業をする
7 アートセラピーや夢分析など無意識なものを意識上に持ち上げ自己を学ぶ
8 個人面接のほかに、家族面接も組み入れる
9 本人ができる宿題を与える (例:「今週は○○とは言わないで黙って観察する」
10) ACからの回復に関する本やテープを毎日繰り返し聞く。古い機能不全なメッセージに対処するため新しい思考・感情・行動を教えるメッセージを大量に与える
11) メディテーションの方法を学び、心や身体から出るメッセージに注目できるようにする

【認知の歪みの10パターン】(バーンズ.D.D.<1980>より)
①<白黒思考> ひとつのものごとを、白か黒か100パーセントかゼロかと決めつける考え方。
②<過度な一般化> 嫌なことがひとつあると世の中はすべてこれだと、考える。
③<心のサングラス> 一滴のインクがコップの中の水の色を染め上げるように、ひとつの嫌な出来事にこだわり、すべての現実を暗く考えること。
④<マイナス思考化> よい出来事を無視し、日々の生活すべてがマイナスのものになってしまう。
⑤<結論への飛躍>これには次の2種類がある。
・心の読みすぎ・・あの人は私を嫌っているとあてずっぽうに結論しそのことを確かめようともしない。
・先読み・・ものごとがうまくいかないと予測しそれが既定事実のように考える。
⑥<双眼鏡トリック> 自分の失敗や他人の成功は誇大に評価、自分の長所や他人の欠点は過小に評価。
⑦<感情的理由付け>気分の落ち込みを「どうしようもない現実の反映だ」と考える。「私はそう感じる。だからそれは事実だ。」
⑧<「べき」思考> 「~すべきだ」あるいは「~すべきでない」という基準で行動しようとし、そうしないと処罰されるように感じる。その結果、罪の意識が高まる。他人に「べき言葉」を乱発している時には、怒り、欲求不満、恨みを感じている。
⑨<レッテル貼り> 「過度な一般化」の極端なかたち。自分の失敗について述べる代わりに、自分にレッテルを貼る。例―「私は負け犬だ」「私は大食いの豚だ」 他人の行為が自分を傷つけるとその人にレッテルを貼る。 例―「あのウジ虫め」
⑩<過剰な責任とり> 自分のせいではないトラブルに対し、自分が原因であるように感じる。


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